介護現場ではたびたびQOLやADLという言葉を耳にします。介護において重要な言葉のため、詳しくは知らないという場合は今しっかり勉強して介護に役立ててください。

QOLとは生活の質の事で、利用者の身体的な苦痛の軽減や生きがい、満足度など総合的な活力を指します。つまり、病気や高齢などの理由により、今まで自由に出来ていた事に対して制限が加えられてしまう事でQOLは低下してしまいます。例えば、排泄や入浴などの介助を必要とするならば、それはQOLの低下を意味します。介護はただ体のケアをすればよいのではありません。心のケアも大切です。そのためQOLにも気を配る必要があります。QOLを高めるためには、介護を受ける利用者がどのようなことに幸福感や満足感を得るのか知る必要があります。幸福感や満足感は人によって異なるからです。例えば、食べる事に関心がない人であれば、糖尿病などの理由により食事制限が設けられても特に苦に思いません。しかし食べることが好きな人であればQOLは低下してしまうでしょう。そのため、その人のことをよく見極めることが大切です。その他、QOLを重視した介護については「心健やかに生きるための介護」でも取り上げられているため、そちらも読むとためになるでしょう。

さて次はADLについてです。ADLとは、日常生活動作のことを指します。いわゆる移動や排泄、食事、入浴などです。つまり、他社の力を借りずに生活をできるかを示す指標として用いられています。そして、ADLには評価スケールというものがあり、評価内容には大きく分けて、運動項目と認知項目の2つに分けられます。その項目セルフチェックを行い、現在のADLの数値を確認します。また、ADLが低下の原因となるのが、脳血管障害や糖尿病、精神疾患、そして認知症などになります。つまり、ADLとは自立して日常生活における基本的な行動ができる範囲を数値化し、それにより現在のADLを確認し、介護職員がそれを踏まえて利用者の介助をします。